パリでこんなの、食べてます。

2015年末からパリ暮らし。パリで食べるのはフランス料理だけじゃない、あの国この国の味を求めて彷徨う、日々是、パリめしへの道。

ステーキをがつっと食す。アルゼンチン料理「Biondi」

もうかなり前のことだけれど、人気のアルゼンチン料理店「Biondi」へ行ったことを。 f:id:kanakanamm:20170708041330j:plain ちなみに私が「肉」を欲するのは「体がちょっと弱っているとき(ちょっと疲れている時)」。逆に「とても弱っているとき」というのは、消化能力が落ちているせいか、肉を食べるまで気力がないせいか、あまり肉は欲さない。焼肉しかり、ステーキしかり。

韓国に住んでいた頃は、私にとっての滋養強壮といえば「参鶏湯」で、鶏肉を欲するというより、薬膳を欲していたのに近い感覚だった気がする。韓国料理はほかにテジ(豚)カルビやサムギョプサルはビタミンBで風邪のときに。アツアツのチゲもよく食べた。そう思うと、アジア飯というのは、なんとなく医食同源なところがあるような気がする。

このときは仕事の打ち上げを兼ねていたのと、相手(女性)が肉好きだったので。「Biondi」はウリが肉で有名。 アントレを1つずつ。まずはパテ。お店の人に「アントレのオススメはなに?」と訊いたらパテだというので選んだのだけど、さすが肉がウリの店だけあって美味しい。 f:id:kanakanamm:20170708041255j:plain 考えてみれば前菜からすごいボリューム。すでに肉肉しさ満点。

こちらはサモサ的な感じだったような? f:id:kanakanamm:20170708041448j:plain もちろん、中身は肉。皮がしっかりしているので小ぶりな割におなかにたまる。

こちら、サラダなのだけど牛タン。 f:id:kanakanamm:20170708041308j:plain 久しぶりに牛タン食べたなーと思いながら、メインに向けて私はすでに、肉感が体を駆け巡る。肉食の友人は細い体で平然としている…そうか、こういうものなのか、こういうものなのね(なにが?)。

メインのステーキ。あまりに前のことで部位は忘れてしまったけれど、しっかりした肉って感じの、アルゼンチンステーキ。 f:id:kanakanamm:20170708041313j:plain f:id:kanakanamm:20170708041319j:plain 日本ではレアが好きだけれど、こちらの肉は血抜きをしていないので、そこそこ焼くのが美味しいと私は思っている。この時は思ったよりちょっと固かったかも。たぶん、私の一切れのカットの仕方が大きすぎだのだと思う。味は美味しかったし、食べごたえも十分だった。どうしてもお醤油をかけたくなってしまう、超日本人な私…(そしてごはん)。

パリでは最近、アルゼンチンステーキが人気だそうな。日本は霜降りの、口の中でとろけるような肉が良いとされるけれど、欧米欧州ではそれはあまりウケなくて、しっかりした肉質が好まれる。フランス人は「肉の味」を楽しみ、日本人は「脂の味を楽しむ」傾向にあるらしい。まさに食文化の大きな違い。

こちらのお店、ランチメニューがお得らしいので、次回はぜひランチを試してみよう。

「Biondi」 118 rue Amelot, 75011 Paris

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貝炒めや海老の揚げたの、美味い中華「Le Grand Bol」@Belleville

安くて美味しいものを食べよう(飲もう)となると、絶対Bellevilleは欠かせないエリアで、そういえばこの前書いたのもこの辺りだったけど、まあいいや。 f:id:kanakanamm:20180203210010j:plain この日は荷物が重かったので、仕事帰りの友をしばしベンチで待つ。早くあったかくならないかなー。

Bellevilleに来たら、まず「パリストア」をぐるっと流してから「ベスト豆腐」で豆腐と油揚げと肉まんを買う。 f:id:kanakanamm:20180203210026j:plain ここの出来立てのお豆腐がとても美味しいとかで、行くと店内でアツアツのお豆腐を食べている人たちが毎回羨ましくて仕方ないのだけど、ここに行くときは、この後予定があるときなので、いつも食べずにスルーする。悲しい。いつかできたて豆腐を目的に来なくちゃと思う。

さて、この日向かったのは友がおススメの中華料理「Le Grand Bol」。オープン間もない時間なのにすでに中国人の団体様。あーあれだけの人数がいたらいろいろ食べられるしいいよねーといいながら座る。 ここの貝の炒めものが素晴らしく美味しい、しかも安い!というので… f:id:kanakanamm:20180203210037j:plain あさりみたいなのとマテ貝などがわさっと炒めてあって、パクチーもどっさり(私はパクチーが苦手なので外す)。うん、おいしい、貝汁のうまみハンパない。青島ビール飲みながら食べる食べる。

この絶妙な仕上がり。 f:id:kanakanamm:20180203210115j:plain 火が通っているけれど柔らかい、やっぱり火力って大事。バター&ガーリックでいただくマテ貝もいいけれど、にんにくとしょう油で仕上げるマテ貝もたまらない。

お店の方がおすすめの小籠包。 f:id:kanakanamm:20180203210032j:plain 味を変えつつ、お腹にもたまるなかなかいい推薦。アツアツをぱくっとして、ビールをごくごく。生きてるって感じだよねー、といつも思う。そう、生きることは食べること。

海老メニューも魅力的だったので、丸ごとフリットをオーダー。 f:id:kanakanamm:20180203210033j:plain つまり大きい海老の唐揚げ。絶対、アジア人、日本人は好きな味。しっぽまでばりばり食べる。 ビールのあと、ハーフの白ワインを1本あけて、おなかぱんぱん。

別の海老メニューもおいしそうだった、ああ、大人数で来たい。 ごはんを頼んで貝汁とまぜまぜして食べたかったし、あと、この店は黒米に蟹がのった料理があって、グループが食べているのを見ながら友人と「うー!」と食べたさにふるえる。でも今日は貝がテーマだから!とその欲望を振り切った、切ない、食べることは生きること…ありがたい話だわ。

もりもり3品に青島の大びん、ワインのハーフで一人20ユーロ。

この後、人気の立ち飲みワインバーへ行き、赤ワイン3杯ずつ。 f:id:kanakanamm:20180203210119j:plain お客さんだと思っていたパリジャンがワインをついでくれる。結構なみなみとついでくれて「ありがとう、お客さんじゃないよね?」と訊いたら、バイトで今日は休みらしい。自由にカウンターと外を行き来していた。

ところで、背後でフランス女子がカウンターに座って彼氏と向かい合って飲んでいた。なんでもアリだ。 若いって素晴らしい。でも私が若かったとしてもあれはできない。

「Le Grand Bol」 7 rue de la Presentation, 75011 Paris

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ひと皿ずつのこだわりが楽しいフレンチタパス「Le Grand Bain」

中華食べたりワインバーで飲んだり豆腐買ったり…と、何かと「Belleville」あたりへ行くことが多い。初めてBellevilleへ行ったのは、2年弱くらい前だったか。フランス語の学期終わりの打ち上げランチでタイ料理。

まだパリのエリアがよくわかっていない頃で「13区の中華街とはまた違う雰囲気」だの「危ない感じ」だの「駅を降りたら一直線で目的地へ向かう」だの、周りのマダムの話では相当なデンジャラスゾーンとのこと。で、行ってみたら、シャッターにはNYのダウンタウンを思わせる(言い過ぎ?)落書き満載だし、駅周辺にはアジア人の貫禄あるお姉さん方が、だいぶ大胆なミニスカート姿で無言の客引きしていたり、多国籍無法地帯感満載だったのだけれど、特に何もスリルを感じなかった私。多分、なんとなくソウルの一部のエリアを思い出させるものがあったからだと思う。まあ、治安がいい感じとは決して言えないけど、いろんな人が住んでいるからこんなもんでしょう。

この日は友人N嬢が行ってみたかったというタパスのお店へ。まだオープン時間前だったので、駅の近くにある安いカフェバーでビールを1杯。ちなみにこの界隈にパイント3ユーロのお店があって、今のところそれがパリの最安値生ビール(私たち調べ)。

近年、パリの若者の、いわゆる「クラシカルなフランス風」ではなく「いまどき」のカフェやバーのオープンラッシュらしく、「Le Grand Bain」はそんな感じ。 f:id:kanakanamm:20180125054339j:plain 真ん中にカウンター。その周りにテーブルが並んでいてお店は狭いけれど天井が高い。 f:id:kanakanamm:20180125054322j:plain テーブルのナンバリング。隣のテーブルは全然違う数だったから、きっとどこかのブロカントだなー。

メニューは黒板に書かれていて、訊けば英語でも説明してくれるので、外国人にはありがたい。 f:id:kanakanamm:20180125054331j:plain 隣のテーブルは、多分アメリカンの観光客。後から分かったのだけど、欧米人の観光客も結構来るらしい、なぜかしら?もちろん、ほとんど地元の人だけど。

フランス語の分からない部分を質問しながら、メニュー選び。 f:id:kanakanamm:20180125054328j:plain f:id:kanakanamm:20180125054346j:plain ワインはボトル(赤)30ユーロ前後のオススメを訊いて、こちらに決定。

アンディーブを使った一品。 f:id:kanakanamm:20180125054351j:plain このソースにバルサミコが入っていたのか、その濃い目の酸味がトッピングのチーズと絶妙に絡んですごく美味しい。というか、アンディーブの意外な食べ方にびっくり。

貝好きな私たち。メニューに「あさり」があったので迷わずオーダー。 f:id:kanakanamm:20180125054358j:plain たしか、ワイン蒸しだったような。つまりイメージ「酒蒸し」。思ったよりあさりの香りは弱かったけれど、ソース(白いのはなんだったかなあ?)にうまみが出ていたので、バゲットにつけていただく。

白身の魚、シーバス、いやタラ…すっかり憶えていないのだけど、レモンソースにマッシュポテト添え。 f:id:kanakanamm:20180125054403j:plain このレモンソースが皮も丸ごと、レモンどっさり!という感じ。そしてそれがまた淡白な白身魚に合う。こういう大胆な素材使いに目からウロコなこと、しばしば。

結構、お腹もいい感じになってきて、もう一皿だけ肉料理を。 すっぱいレッドカラントがアクセントで、見た目がとってもフレンチタパス。 牛肉がラディッキオとマリネしてある感じで、赤ワインにも合う赤みのお肉が美味しかった。

せっかくだから、とデザートを1つ頼んでシェア。 f:id:kanakanamm:20180125054415j:plain クランブル、梨のコンポート添え。ひいてあるバニラソースと一緒にいただくと、三位一体のベストバランス。デザートも丁寧に作ってある印象。

中央のカウンターでさくっとつまんで飲む人の姿も多かった。 f:id:kanakanamm:20180125054425j:plain スタッフも対応がいいので、旅行者にもオススメ。

Le Grand Bain

14 Rue Denoyez, 75020 Paris

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パスタとソースのベストバランス「La Lancetta」

「イタリアンが好き」と、ひと言でいってもいろいろあるけれど、日本人でイタリアン…パスタ(それが和風きのこスパゲッティであっても)やピザやリゾットが嫌いな人は、あんまりいないんじゃないかなあと思う。え、違いますか?もちろん、好きじゃないという人もいるだろうけれど。フランスはイタリア系、イタリア移民も多いそうで、だからイタリアンレストランも多いんだとか。

ボンマルシェの近くで夕飯を食べることになり、そのとき猛烈にパスタが食べたかったので、評判が良い「La Lancetta」へ行ってみた。お店はキッシュが人気のカフェ「Mamie Gateau」の並び。 こじんまりした店内の後方にカウンターと、ソファ席の上には本棚。シックだけど全く堅苦しさがなく、スタッフが気さくで英語堪能なのがありがたい。

ワインを1杯ずつ頼んで、前菜は2種類。 f:id:kanakanamm:20180116005803j:plain モッツァレラブッファーラにバジルペーストとトマト。間違いない一皿。 f:id:kanakanamm:20180116005820j:plain 生ハム、赤身にぎゅっとレモンを絞ってルッコラと一緒に。おいしい、生ハム大好き。でも当然それなりに塩味があるので、一人でひと皿全部は私にはキツい。で、T君のモッツアレラと半分ずつシェア。T君は「俺、別に交換せんでもええねんけど…」と言っていたのを強制的に。

このお店、前菜の盛り合わせが人気らしく、本当は頼みたかったのだけれど、この日は2人だったうえ、お酒もそんなに飲むつもりがなかったのでオーダーせず。

T君オーダーの「Scaloppina tartufata」 f:id:kanakanamm:20180116005901j:plain 麺のかたさ、クリームの濃厚さ、トリュフの香りまで、T君にとってのベストバランスだったらしく「うまい、これうまい、うまい」と食べていた…ので当然、ひと口もらう。うん、美味しい!塩加減も絶妙。トリュフの香りとクリームのコク、こんなにしっかりしているのにもたれない。クリームパスタ好きにはたまらない。

私は「Linguine frutti di mare」 f:id:kanakanamm:20180116010147j:plain 海の幸のトマトソース。こちらも具がたっぷりで麺のゆで加減もちょうどよく、ソースが全面に出過ぎずいいバランス。パスタは分量的に麺がメインになるので、味や具材とのバランスって本当に大事だなと、美味しいパスタを食べるたびにそう思う。

初訪問で大満足。T君は「もう一皿おかわりいけた」といっていた。私はリゾットも気になるところ。近々、友人たちとあの辺りでランチ予定なので、お店はここに決まり~。

「La Lancetta」 72 Rue du Cherche-Midi, 75006 Paris

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パリで流行りのフュージョン中華、オープンしたばかりの「CAM」へ。

恐ろしいことに4か月ぶりの更新。 その間、どれだけ外食してきたか…自分の参考のためのメモのはずなのに… 2018年1月もそろそろ下旬に差し掛かるけれど、新旧織り交ぜて更新頑張ろう、自分。

最近パリは、フュージョン中華がちょっとしたブームらしい。先日、友人でありライターの大先輩Cさんにお誘いいただいた「CAM」もその1つで先月オープンしたばかりだそう。f:id:kanakanamm:20180116005116j:plain 19時の予約で19時に到着すると、1番客で大体こんな感じになる イン パリ。「あ、えーと、予約してある?」「2名ね、どこでもいいよ。あ、そこがいい?じゃ、そこに」とアバウトに通してくれる。パリでは時間通りに到着すると、予約は〝席のリザーブ〟じゃなくて〝好きな席を選べる特権〟ということがよくある(日本もか)。そしてオンタイムでも絶賛、オープン準備中。 「今メニュー出しているからちょっと待ってね」とスタッフ。カウンターにプリンタが置いてありこちらも絶賛、プリントアウト中。

ワインリストとメニューと、取り皿。 f:id:kanakanamm:20180116005228j:plain メニュー数は少ないと聞いていたけれど、なるほど、少ない。でも、気になる食材の組み合わせに、どうしようかー、それぞれのジャンルから選ぼうかー、魚もいいけれど肉かなーと迷う。写真がないので説明を聞いて、あとはイメージ。前菜的なもの、ツマミ的なもの、メイン的なもの…足りなかったら追加しようということで、ワインはシャルドネ(白)を1本。

雲丹はフランス語で「oursin」なのに、メニュー名の中にわざわざ「uni」と表記してあり、気になってオーダーした、これ。 f:id:kanakanamm:20180116005248j:plain 韓国の茶わん蒸し「ケランチム」をほうふつとさせるビジュアル。そしてあんかけの中にuni発見!確かに、茶わん蒸しに雲丹がのっていてもおかしくないけれど、なんだか新鮮。食べてみると、卵の食感は予想以上にふわふわ。口当たりもなめらか。まさにスフレ状で、とろりとしたあんかけと雲丹のアクセントが絶妙。うまい、すんごいうまい。

ところで、一般的な韓国の食堂で出てくる「ケランチム」を、よくみんなが「ふわふわ」というけれど、4年8カ月ソウル在住の間、私は「ふわふわ」と思ったことは一度もなかった。確かに日本の茶わん蒸しとは別物で、器を直接火にかけて一気に過熱するから、ぶわーっと膨れてやってくるので、アツアツでぶわっとしてはいるけれど。だから私は「ぷわっとしてる」とか「ぶわっとしている」とは言っていたような気がする。

話を戻して、次にやってきたのはイカ。 f:id:kanakanamm:20180116005301j:plain イカは生なんだけれど、温かいソースとの組み合わせが面白い。ソースは海藻かな?ソースの使い方にフレンチを感じながら、上には天かすみたいなのがかかっていて、その食感が楽しい。「これも美味しい!」と2人で大絶賛。ワインにも合う。きっと焼酎の水割りにも合う。

牛肉にキムチとネギとしょう油風味のソースがかかっている一皿。 f:id:kanakanamm:20180116005318j:plain 写真は撮らなかったけれど、レタス(サンチュではない)が付いてきたので、巻いて食べてもOK。これはまさに韓国風、だけどソースはしょう油ベース。これはとっても日本人好みの味。ごはんを1つ頼んで大正解。ハイボールにも合うだろうな。

お決まりの、20時過ぎたらいっぱい状態。 f:id:kanakanamm:20180121232716j:plain 赤ワインを1杯ずつ追加して、肉とともにいただく。取材の下見を兼ねていたCさん、お店の方に早速アポ入れ。途中、お店が混んできたときにシェフらしき男性がお皿を持ってきてくれたのだけど、Cさんが訊ねたら、韓国系香港人だそう。なるほど。

今回食べたどのメニューも丁寧に作られていて、美味しく、雰囲気も明るく賑やか。日によってメニューも替わりそうなので、またぜひ行ってみたいお店。

「CAM」 55 rue au maire 75003

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貝と、牡蠣と、貝と…「Juste」@9区

あるとき「わたし貝が好き」と気づいた。多分、ソウル在住時代に、牡蠣食べ放題の店へ行って、今世紀…いや、我が人生でマックス数の牡蠣を食らった、あの時に気づいたんだと思う。となると、4年くらい前か、結構最近。

ソウルは牡蠣天国、略して牡蠣パラだったので、同じく牡蠣をこよなく愛する友達とあちこちの牡蠣の店へ行ったものだ。ついでにいえば、あまり種類はなかったけれど、貝類もメニューに多かったので、貝パラでもあった。友人と焼き、生、蒸し、煮…とあらゆるパターンの牡蠣を物凄い勢いで食べ、殻をガンガン足元のバケツに捨てていたら、それを見て隣の韓国オヤジグループが固まっていた、ということがあった。あの〝大声大食い大酒のみ〟の韓国オヤジたちを黙らせた、というのはちょっとした自慢(羨ましがられることはないけど)。ちなみにそのときは1人70個くらい食べたらしい。そして今のところ、生涯一度も牡蠣にあたったことがないのも密かな自慢(羨ましがられることはないけど)。

パリで暮らし始めた頃、牡蠣友が出来て、ノルマンディーまで牡蠣旅に連れてってもらったのは良い思い出。で、彼女が日本へ帰ってしまったあと、再び牡蠣(&貝)友ができた。神さまありがとう!

9月、牡蠣ラバーたちの鼻息が荒くなってくる季節。私と友人Nも、鼻息荒く向かった先は9区にある貝専門店。

「Juste」に到着した19時はまだアペロタイムのせいかガラガラ。でもきっと20時くらいから混むよね、と入店。f:id:kanakanamm:20170926001300j:plain お店はオシャレでキレイ、若いスタッフも親切。パリの店員の接客態度に対して、合格点のハードルがめっちゃ低くなっている私たちには、かなりの高得点。

さて、オーダーはレジで直接。黒板にメニューが貼ってあり、貝類は持ち帰りもOKの状態でずらっと並んでいる。f:id:kanakanamm:20170926001241j:plainf:id:kanakanamm:20170926001256j:plain これと、これと…とスタッフに伝えて、あと白ワインを2つオーダー(グラスは1種類しかないらしい)。牡蠣はレジ横にグレード別に並んでいるので、私たちは中レベルを12個頼んで席へ。

パンと一緒にまずやって来た生牡蠣。カーキー!とテンションあがる日本人2人。f:id:kanakanamm:20170926001323j:plain このお店の殻はすごくきれいに外されていた。ときどきお店の人があまり上手じゃなくて、砂やら破片やらが入っていることがあって、食べにくいパターンがあるので、お皿を見るときいつもちょっとドキドキ。

紙ナプキンの横に、白いバケツが設置されていた。ここに殻を捨てていくシステム。 f:id:kanakanamm:20170926001315j:plain 牡蠣以外の貝も食べるしね、ふふふ。

牡蠣は美味しかったけれど、やっぱりちょっとしょっぱかった。やっぱり、というのは、こちらでは海水まんまのものが多く、日本人は通常、生牡蠣にレモンを絞って食べるけれど、これはレモン要らず(でも付いてくる)。身もこぶりだったなー。ただ、今シーズン初だったので、十分満足。

友人Nが「あれ、なんかかわいい写真だね」というので振り向いたら、壁にパネルがかけてあった。 f:id:kanakanamm:20170926001336j:plain ほんとだ、なんとかわいい! ちょっとピンぼけで分かりにくいけれど、牡蠣養殖をしている人たちが、並んで牡蠣をつるっと食べている図。愛がある、すごくいい写真。

こちら、つぶ貝。ピックを入れてつるっと取り出していただく。 f:id:kanakanamm:20170926001329j:plain ああ、美味い。小さいけれど味が濃くて、身がぷりっとしていて、最高のアテ。

ハーブなど入れて調理してある、何かの貝…見るからに美味しそうだったので注文。 f:id:kanakanamm:20170926001342j:plain ちょっと味が濃い目で、パンと一緒に。ワインに合うように仕立てられているのね。貝メニューばかり食べるときは、そのままのものだけじゃなくて、こうやってちょっと手が入れてあるものも食べるとバラスがいい、と思う。

やはり20時にはお店ぎゅうぎゅう。 f:id:kanakanamm:20170926001400j:plain 日本人はいなかったけれど、アジア人率がとても高くて、何かに掲載されたのかね?と。

サラダを頼もうか迷った末の、ナスのお惣菜。 f:id:kanakanamm:20170926001351j:plain ズッキーニとナスのグリル。そういえばこれも味が濃い目だった。ワインが必要~ということで、結局2杯飲んだ。お兄さん、テーブルまで来てなみなみと注いでくれる、ありがたい。

この日は無かったけれど、マテ貝もあったらうれしいなー。ほかにも何種類か貝メニューがスタンバイしていた。でも、これだけでお腹いっぱいになったので、結構ボリュームあるのかも? 牡蠣だけでなく、貝も食べて飲みたいという時に良い店。

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この満足度の高さったら…@Le 975

以前、在パリのフードジャーナリストの方と話していたとき。今、コスパの高いパリのオススメのレストランは何処?と訊ねられると「どうしても日本人シェフのお店になっちゃうんですよねえ」。彼女曰く、そのくらい日本人シェフとそのレストランの評価は、パリで高いんだそうな。星の数がすべではないけれど、でもフランスで星を獲得しているシェフに日本人が多いということは、その答えにも通じているんだろうなと思う。

先日お邪魔した方のアパートの近くに、日本人がシェフの人気のお店があるというので、ちょうどお昼だったこともあってみんなで行ってみた。 「Le 975」 さりげない木目調の佇まいにイエローの窓枠が目を引く外観。いつも混みあっているそうで、この日はオープンの正午ジャストの1番客だったので、無事、入店。※写真は食後のもの

カウンターから続くスペースは細く奥にも。 私以外の3人が「ここ来たかったんだよねー」「わーうれしいなー」「こっちまでなかなか来る機会なかったしー」とテンションがかなり上がっている様子なので、私ったらとってもラッキーだったわ~とこっそり思う。そう、食は出会いが大切。

今朝、ものすごく久しぶりに体重を測ったら、見たことがない数が表示された…のは、体重計が壊れていたに違いない、と思ったのを、「壊れていた」と心の中で断定して さ、どれにしましょうかねーと声を弾ませる。で、前菜、メイン、デザート&カフェに決定。いいのいいの、だって体重計は壊れていたんだから。

前菜は九条ネギのポタージュ。盛り上がる日本人の私たち! 鮮やかなグリーンと黒トリュフの色合い、美しいだけでなくいい香り。パリに来てから黒トリュフを食する機会が、日本やソウルにいた頃とは比べ物にならないくらい増えた。これぞ食文化の片りん(たぶん)。そしてネギとトリュフがこんなに合うとは、もちろん知らなかった。すごく美味しい、もう1杯おかわりしたいくらいだったわ。だって体重計は…(以下同文)。

この日のメインは、鶏肉のグリルやブーダンの盛り合わせ。ブーダンは豚の血と脂を使った腸詰で、「いつもはブーダン苦手で」といっていた友人達だったけれど 美味しい!とぱくぱく。

ソースはまろやかなカレー風味(きっと厳密にはカレーじゃない香辛料のはず)で、お肉とよく合う。 付け合わせのカンパーニュがこれまた美味しい。3種類の肉料理がバランスよくお皿に並ぶ、ランチにうれしい一皿だった。

ところで私は5年弱のソウル生活で、「スンデ」という、豚の血ともち米、香味野菜などの腸詰も平気で食べていたので、ブーダンは全然平気。むしろ、スンデがあまりに、なんというか、食指をそそらない色と形状をしていたので、ああいうものに結構鍛えられた気がする。経験に無駄なことなし。ありがとうスンデ、今食べたいとは全然思わないけど。

デザートはバナナとキャラメルのムース。ビジュアルからもう期待値が上がりまくり。 もう、上のふわふわを食べたところから「あーー美味しい」と一同、ため息。下の方にキャラメルクリームが潜んでいて、すくうほど、口に運ぶほど、うーん、幸せ。この繊細な幾重にも重なる味の層に、スイーツ愛を感じる…。〆にコーヒーで完璧。これで16ユーロとは。

どうしよう、すごくおいしいお店に出会ってしまった。これは混みあうわけだわ。12時半には満席になっていたのも納得。うちの近くに欲しい、あればしょっちゅう行くのに。次はもう一段階上のランチのコースにしてみるか、いや、ディナーにするべきか。ありがたい、うれしい悩みが、また1つ。

「Le 975」 25 rue de Guy-Moquet 75017,Paris

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