パリでこんなの、食べてます。

2015年末からパリ暮らし。パリで食べるのはフランス料理だけじゃない、あの国この国の味を求めて彷徨う、日々是、パリめしへの道。

ひと皿ずつ、ひと口ずつ、どこを切り取っても楽しめるフランス料理「Alliance」@5区

パリ&チューリッヒでワークショップを行うため、日本から料理家の平山由香先生が訪欧。かつて連載を担当していたご縁で、先生とはかれこれ10数年のおつきあい。

平山先生は昨年「毎日のお味噌汁」という本を出版。確か3年半前ほど前に、「自分の不調を改善してくれたお味噌汁の良さを広めたいなー」と言って、Facebookにお味噌汁をUPし続けること毎日。毎日ですよ、奥さん。いやまあ、料理研究家だからといえばそれまでだけれど、彼女の当時からのFecebookを見ていると、いかにお味噌汁(とお味噌)に魅了されたのかよくわかる。

毎日のお味噌汁

毎日のお味噌汁

ちなみに本の中の大半は、自身が毎日撮り続けてきたひと椀。先生の写真が上手だったからということも当然のことながら、iphoneのクオリティってすごい。先生も「まさかそのまま載っちゃうなんてねえ」って言っていた。でも、そのくらい無欲に、ただ「好きだから伝えたい」「良いことだから広めたい」という思いだったからこそ、本につながったんだろなと思う。

本が出版された昨年来、大型複合書店(TSU●AYAとかMU●I)や各地の食育関連、カルチャーセンター、レストランとのコラボまで、とにかくいろんなところで「お味噌汁のワークショップ」が開催され、ときどき私まで「先生ってお味噌料理研究家なの?」と訊ねられたほど。いえ、彼女は料理家&テーブルコーディネーター。味噌研究家ではございません。

ま、そんなこんなでご縁あって、私がパリのワークショップのコーディネートとアシスタントを担当。撮影がある朝に「顔がむくんだー」と先生の悲痛な声が上がれば、蒸しタオルにデトックス茶にマッサージクリームを渡し、「耳を掴んでまわして!」「斜め上を見ながら口に指突っ込んで横に引っ張って!」などと指示。ふと、昔取材したタレントさんたちの横にいた人(マネージャーさん)を思いだす。とはいえ、私も本業の記事執筆があるので、ワークショップ中もアシさんしながら、ノートも携え右往左往。滞在最後の夜には、久しぶりに先生にもたくさんお話を聞いてメモメモ。ああ、早く書き上げなくては。。。「ブログ書いているヒマがあるなら早く原稿書けよ」うん、わかってる。わかっているけれど、心を整える時間も必要…って長谷部選手が言っていた。

※ワークショップ裏側の模様は、パリ生活本編のアメブロ「パリ市民への道」をご覧ください

前置きがすごーく長くなったけれど、なんとか無事ワークショップを終えて、先生と2回打ち上げ。1回目は5区「Alliance」。同店はオープン1年ちょっとで、今年、ミシュラン1つ星を獲得。素晴らしい。大宮シェフ、おめでとうございます。

私は5回目の訪問。ここのランチコースは味はもちろん、ボリュームも素晴らしく、カンパーニュは美味しくて毎回食べ過ぎ注意。

f:id:kanakanamm:20170702184821j:plainまずはシャンパンのロゼで乾杯。いやー、お疲れさまー、おかげさまーみたいな、本当にそんな気持ちで乾杯。(写真はすべて平山先生撮影)

f:id:kanakanamm:20170702184830j:plainf:id:kanakanamm:20170702184837j:plainメモを取らないと記憶にとどめておけない持病のため(つまり老化)、詳細は差し控えるけれど(つまり忘却)、アミューズブッシュ(突き出し)の1つはブロッコリーの天ぷら。こちらはお初。フレンチはプレゼンテーションも魅力の1つで、出だしからいつも楽しい。

f:id:kanakanamm:20170702184845j:plain鯵にレモン風味のエスプーマ。暑さを吹き飛ばすような爽やかさと安心感。日本人シェフのお魚料理はなんというか、本当に気が利いているなと思う。

f:id:kanakanamm:20170702184855j:plainf:id:kanakanamm:20170702184901j:plain自家製のフォカッチャ。件のカンパーニュは撮り忘れ(撮影はお店の人の許可有)。このクリーム…このクリームなんだったっけ…あー…中に何か入ってたんだけど…でも絶対に美味しかった。

f:id:kanakanamm:20170702184910j:plain確かMulet。皮目のパリッと感と塩加減の妙に、二人で感動。私はグリーンピースが得意ではないのだけど、苦手な臭みや食感を感じない、つまりフレッシュな仕上がりのソースにこれまた感動。見た目も軽やか。

f:id:kanakanamm:20170702184915j:plain本日のスペシャリテ。私はお腹に余裕がなさそうだったので遠慮して、先生がオーダー。フォアグラにかかったソースは、たっぷりのショウガ仕立て!フタをあけた瞬間、ぶわっと立ち上るショウガの香りにびっくり。こってりしたフォアグラだと後からお腹にずっしりきちゃうなーと心配していた先生も、これは「イケる!」。お行儀が悪かったけれど、さっと一口いただいたら、フォアグラの新しい世界を見た気分。そこはかとなく和を感じながら、フレンチとしての主張も。野菜と融合しながら口どけるフォアグラ…絶品。

f:id:kanakanamm:20170702184921j:plain仔牛は安定の美味しさ。ソースとともにいただきながら、添えられたカブの塩加減がまたいい具合。焼き目の香ばしさもごちそう。

f:id:kanakanamm:20170702184931j:plainこちらも先生オーダー。熟成期間が確かとても長いコンテで、思わず「食べたい!」と先生。こちらもちょっとつまませていただく。コンテ大好き。チーズの説明は料理説明以上に苦手なので、とっても美味しかった、とだけ。

f:id:kanakanamm:20170702184935j:plainf:id:kanakanamm:20170702184941j:plain口直しはシトロンのグラニテと、バニラのふわふわに黒オリーブがけ。白×黒のビジュアルのオシャレさに、毎回気分があがる一品。

f:id:kanakanamm:20170702184947j:plainデザートはベリーのワッフルに生ベリー。いい香りの酸っぱいワッフルって初めて食べた。この後必ずコーヒーをいただくので、チョコレートが付く…という流れのために、この酸っぱさが効果的。

f:id:kanakanamm:20170702184956j:plainf:id:kanakanamm:20170702185002j:plainコーヒーとともに。もう、本当にお腹いっぱいなのに、絶対に食べちゃうのはなぜなの?女子だから?(こういう時だけ「女子」という言葉を使う) コーヒーを飲みながら「美味しかったねえ」「●●が好みだった」「●●は意外だった」と、食べた直後ならではの話も弾む。

食後、大宮シェフが出てきてくださったので、今回の☆の話を軸に、オーナーシェフとしてのお話をたくさんお聴きする。ご本人は星獲得を意識しながら毎日料理をしているわけではないそうだけれど「星を獲るとスタッフの士気が上がるし、なんで僕が日々ああしろこうしろって言っていたかってことに説得力がつくでしょう。言われたことを守っていたら評価してもらえた…ってことになる、だから星もらえたことは結果的に良かったです」と。なんてかっこいいこというんだ、大宮シェフ。でも本当に、自分がいいと思ってやってきたことが、結果、その道の人たちに良い評価をされるというのは、やはり嬉しいことだし、モチベーションに絶対につながることだから、今後の「Alliance」の展開も楽しみ。また行こう~。

「Alliance」 https://www.restaurant-alliance.fr/

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