パリでこんなの、食べてます。

2015年末からパリ暮らし。パリで食べるのはフランス料理だけじゃない、あの国この国の味を求めて彷徨う、日々是、パリめしへの道。

この満足度の高さったら…@Le 975

以前、在パリのフードジャーナリストの方と話していたとき。今、コスパの高いパリのオススメのレストランは何処?と訊ねられると「どうしても日本人シェフのお店になっちゃうんですよねえ」。彼女曰く、そのくらい日本人シェフとそのレストランの評価は、パリで高いんだそうな。星の数がすべではないけれど、でもフランスで星を獲得しているシェフに日本人が多いということは、その答えにも通じているんだろうなと思う。

先日お邪魔した方のアパートの近くに、日本人がシェフの人気のお店があるというので、ちょうどお昼だったこともあってみんなで行ってみた。 「Le 975」 さりげない木目調の佇まいにイエローの窓枠が目を引く外観。いつも混みあっているそうで、この日はオープンの正午ジャストの1番客だったので、無事、入店。※写真は食後のもの

カウンターから続くスペースは細く奥にも。 私以外の3人が「ここ来たかったんだよねー」「わーうれしいなー」「こっちまでなかなか来る機会なかったしー」とテンションがかなり上がっている様子なので、私ったらとってもラッキーだったわ~とこっそり思う。そう、食は出会いが大切。

今朝、ものすごく久しぶりに体重を測ったら、見たことがない数が表示された…のは、体重計が壊れていたに違いない、と思ったのを、「壊れていた」と心の中で断定して さ、どれにしましょうかねーと声を弾ませる。で、前菜、メイン、デザート&カフェに決定。いいのいいの、だって体重計は壊れていたんだから。

前菜は九条ネギのポタージュ。盛り上がる日本人の私たち! 鮮やかなグリーンと黒トリュフの色合い、美しいだけでなくいい香り。パリに来てから黒トリュフを食する機会が、日本やソウルにいた頃とは比べ物にならないくらい増えた。これぞ食文化の片りん(たぶん)。そしてネギとトリュフがこんなに合うとは、もちろん知らなかった。すごく美味しい、もう1杯おかわりしたいくらいだったわ。だって体重計は…(以下同文)。

この日のメインは、鶏肉のグリルやブーダンの盛り合わせ。ブーダンは豚の血と脂を使った腸詰で、「いつもはブーダン苦手で」といっていた友人達だったけれど 美味しい!とぱくぱく。

ソースはまろやかなカレー風味(きっと厳密にはカレーじゃない香辛料のはず)で、お肉とよく合う。 付け合わせのカンパーニュがこれまた美味しい。3種類の肉料理がバランスよくお皿に並ぶ、ランチにうれしい一皿だった。

ところで私は5年弱のソウル生活で、「スンデ」という、豚の血ともち米、香味野菜などの腸詰も平気で食べていたので、ブーダンは全然平気。むしろ、スンデがあまりに、なんというか、食指をそそらない色と形状をしていたので、ああいうものに結構鍛えられた気がする。経験に無駄なことなし。ありがとうスンデ、今食べたいとは全然思わないけど。

デザートはバナナとキャラメルのムース。ビジュアルからもう期待値が上がりまくり。 もう、上のふわふわを食べたところから「あーー美味しい」と一同、ため息。下の方にキャラメルクリームが潜んでいて、すくうほど、口に運ぶほど、うーん、幸せ。この繊細な幾重にも重なる味の層に、スイーツ愛を感じる…。〆にコーヒーで完璧。これで16ユーロとは。

どうしよう、すごくおいしいお店に出会ってしまった。これは混みあうわけだわ。12時半には満席になっていたのも納得。うちの近くに欲しい、あればしょっちゅう行くのに。次はもう一段階上のランチのコースにしてみるか、いや、ディナーにするべきか。ありがたい、うれしい悩みが、また1つ。

「Le 975」 25 rue de Guy-Moquet 75017,Paris

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